店主の林直です。
2020年2月15日より開催してきました企画展「とおのおと」の会期も残すところ明日2月29日のみとなりました。
参考 とおのおと公式ページとおのおと初めての打ち合わせから1年、企画者である作家、冬耳(ふゆじ)さんの構想からは2年という準備期間を経た展覧会も2週間の会期中およそ1,000人もの来場者を迎え、最終日を迎えようとしています。
展覧会を振り返る意味も込めて、撮影してきた会場写真を一部ご紹介したいと思います。
会場となった当尾の郷会館は2012年に廃校となった旧当尾小学校です。2012年には木津川アートの会場としても使わせていただきました。
“とおのおと”の玄関口に展示した私の作品。1986年に私が撮った木造校舎の旧当尾小学校と2019年の同じ位置からのものを合成して布にプリントしました。隣の神社にあるイチョウの樹は今も変わらずその姿を私たちに見せてくれています。
昇降口に表れた言葉、これは詩人の辺口芳典さんの作品。会場のいたるところに辺口さんがこの場で生みだした言葉を見つけることができます。不思議と言葉によって、場所の味わいが変化し、辺口さんの意識が私たちに染み込んでくる感覚になります。
冬耳さんの作品。階段という大きな壁面に縦横無尽にうごめく鮮やかな模様に圧倒されます。この作品、このままここに残ってほしいな〜!
原田要さんと加藤史江さんのコラボレーション作品。お二人のダイナミックな作品は見応えあり! 生命や宇宙を想像させられます。窓からの陽射しと周囲の木々も作品と共鳴して素晴らしい空間となっています。
MOYAさんと私のコラボレーション作品。やはり1986年と2019年に私が撮った当尾の人や風景の写真をMOYAさんの模様で合成しものや、ペイントしたもので構成しました。今回、がっつりと共同制作しましたが、本当に楽しい制作でした。
廊下は真衣さんの展示スペースです。今回は子供の頃から現在の作品までが展示されています。現在の作風の原型とも言える絵を見ることで、現在の作品に対する理解が深まる気がします。それにしてもぱっと見た感じは普通の小学校の廊下のよう。
奥中章人さんの作品。普段、奥中さんは空気をテーマに巨大な水玉風船を作られたりしていますが、今回はそのコンセプトを映像作品で表現されています。宇宙の構造からミクロの世界までの連鎖に想いを馳せることのできる作品です。
釜本幸治さんと真衣さんのコラボレーション展示は、水を共通のテーマに制作する二人の作品が学校の教室という空間で共鳴することによって、よりリアリティを感じるものとなっています。とても美しい部屋となっています。
奥中章人さんと冬耳さんのコラボレーション展示。薄暗い空間に出現するユニークでカラフルな模様と、それらをゆらゆらと映すシートが鑑賞者を不思議な世界へと誘います。いつまで見ていても飽きない作品ですね。
もう一方の階段スペースに配された伊吹拓さんの作品。一見無造作に設置された素材も様々な絵と思いきや、細部まで意識が行き届いた展示構成です。こちらもいつまでも眺めていられそうな空間です。窓辺の薄い曇り加減まで味わいとして表現されているのでしょうね。
体育館に展示されているのはMOYAさんと原田要さん、そして奥中章人さん。MOYAさんのスケール感は圧倒的ですね。この作品は作品の上を歩いて鑑賞してもOKというもの。奥にそびえ立つのは原田要さんの作品です。この写真では小さくて分かりづらいですが、相当な高さの木彫に彩色されたもの。これはぜひとも実物を見ていただきたい作品です。幕を下ろした舞台の上には奥中章人さんの作品も展示されています。
まだ他にもご紹介できていない展示スペースもありますが、とにかくこの展覧会、参加者のパワーとそれを企画した4人のディレクターによる構成が本当にバランス良く、本当に見応えがあるものとなりました。
最終日の明日はOh! BaaaaaZさんのワンコイン給食ランチも登場。最後の給食はかなり気合が入っているそうです。
世間はかなり警戒体制となっていますが、何とか最終日まで開催する予定です。主催者側も充分配慮しつつ開催しますが、しっかり予防対策をして足をお運びいただけると幸いです。