ファインダーの外まで表現しよう[2019年12月4日]

モノクロ写真のこと1

「ネガ は 楽譜であり、プリントは 演奏である」これは、アメリカ風景写真の大家アンセル・アダムスの名言の一つです。

「一枚のネガから作者の意図によって様々なトーンの写真を生み出すことができる」ということを、自身もプロのピアニストであったアンセルが音楽になぞらえて語った言葉。この名言のとおり、アンセル・アダムスのモノクロ写真は目を見張るような美しさを放っています。

私が初めて本人が焼いたモノクロプリントを目にしたのは20歳の頃、大学の授業で訪れた京都国立近代美術館での展覧会でした。世界を代表する写真家50名ほどの作品で構成された展覧会の中でも、特に輝いて見えたことを覚えています。

京都国立近代美術館写真目録

今から思うと、この出会いが私をモノクロ写真の世界へと導いた、最初の出来事だったと確信します。

それからの約10年はアンセル・アダムスのトーンを目指して自身の作品制作の技術を磨き続ける時間となりました。魅力のある展覧会があると知れば、東京でも何処へでも出かけてゆき、挙げ句の果てはアメリカ西海岸にある、アンセルの暗室を訪問し、そのお弟子さんからプリントを教えてもらう体験にまで至りました。

林直 Adams
アンセル・アダムスの家

学生の頃に焼いた自分のプリントを眺めると、若さと荒削りのような腕力によるプリントである魅力を感じるとともに、同じネガから焼き上げた、現在の自身のプリントとのギャップの大きさに驚きます。

モノクロ写真の魅力やエピソードは、またブログでも書いていくつもりです。

実は私がその魅力に惹かれて止まないモノクロ写真をお店のサービスとしても始めることにし、リニューアルしたサイトにもご紹介できるようになりました。題して「モノクロ写真撮影」です。とってもお勧めのサービスとなっていますので、ぜひご覧いただいたうえ、掛け替えのないあなたの時間を、写真に納める機会となりますように。