展覧会にいたるまで【2025-02-12】

展覧会にいたるまで

展示会場

2025年2月8日(土)より3月1日(土)までの予定で大阪西淀川区にあります「ブルームギャラリー」にて作品を展示しています。今回の展覧会は個展ではなく5名の作家による”Roots”というタイトルのグループ展です。

トークセッション

2月8日には5名の出展作家が全員そろってのトークセッションとレセプションが行われました。
写真は左から福島耕平さん、内倉真一郎さん、私、田中一泉さん、北義昭さん、そしてギャラリーオーナーの窪山洋子さん。

せっかくブログをご覧いただいたので、今日は展覧会にいたるまでの制作現場をご紹介することにしますね。

機材 歩いて移動

これはさかのぼること2024年3月31日。あらかじめ撮影したいと思っていた場所まで機材を持って出かけました。真衣さんが後ろから撮影してくれています。
このバックにカメラなどが入っているのですが、三脚と合わせて20kg。あちこち持って歩いての撮影をするにはもっと体力をつけないとという感じです。

撮影準備

撮影ポイントに到着。といってもここで何を撮ろうとしてるの?って感じでしょう。

撮影地

今回のターゲットはこのクローバーがあるポイント。おそらく電柱などの構造物があったのだろうけれど、今となっては分かりません。でもとても素敵なコロニーのようです。小学生の頃はよくここでカブトエビやザリガニをとったものです。

カメラセッティング

カメラを真俯瞰にセットし、脚立に登ってピントを合わせます。狭い道なので車が真後ろを通ります。足場がギリギリに見えますが、もちろん安全確保をしっかり取ってセッティングしています。
とは言え今やスマホで簡単に写真が撮れるわけですから、セッティングに30分近くを要するこの撮影は時代錯誤も良いところですね 笑

カメラセッティング

ちょっとでも動いたらピントや画面位置がずれるので慎重にフィルムホルダを差し込みます。僕の表情がそれを表していますね。フィルムは8×10インチ、約20×25センチほどです。フィルムは大きければ大きいほどきめ細やかに写るということもあり、好んで使っています。びっくりするお値段ではありますが、それを気にしていて作品は作れません。

暗室 フィルム現像

撮影したフィルムはこのように暗室で現像という処理を施します。この部屋を真っ暗にして手前の現像液から停止、定着、水洗といった工程を経てネガが完成します。

暗室 フィルム現像

他の撮影分も一緒に水洗をしているところ。水洗をしっかりしておかないと、ネガは長持ちしません。

暗室プリント

出来上がったネガを今度はプリントします。実を言うと展示用のプリントを焼く前に、小さなプリントを焼いた日があるのですが、そのときの写真を撮っていませんでした。
この長いダンボールに1メートル幅で20メートルのロール状の印画紙が入っています。これを必要な大きさにカットしてプリントしています。

暗室プリント

実際の作業は赤い電球の元で行なっているので撮影しませんでしたが、出来上がったプリントの水洗をしているところです。ここにいたるまでにいくつものテストプリントを行なって1枚の作品が焼き上がります。

スポッティング

乾いたプリントにスポッティングという処理を施しています。ネガについていた微細な埃の跡などを細い筆で埋めていきます。とっても根気と技術を要する工程です。

マッティング

額装する前段階。マッティングという工程です。額に入れるため、または作品を恒久的に保存するために安全な素材の紙にプリントをセットします。手前のマットカッターで写真に合わせた窓枠を開け、奥に見えるドライマウントプレス機という機械で作品を固定しているところです。このあと額に入れると完成というわけです。

展示会場

ほぼ1年越しでやっと作品が完成しました。何気ない身近なところに宝物のような題材があり、それを見つけて丁寧に扱い、作品として仕上げていくことで輝きを放つということ。私の写真はこんなことを繰り返しながら生まれてきます。ぜひ実物をギャラリーにてご覧いただけると嬉しいです。