店主の林直です。
前回のブログでもご案内のとおり、ただいま個展を開催しています。今日は展覧会に至るまでのあれこれをご紹介します。
撮影は以前から進めている8×10インチサイズの大型カメラにモノクロフィルムを詰めて行なっています。
この写真は近くの橋から川を見下ろして撮影。近所ということもあり、写真を撮っていると通り過ぎる知人からたくさん声をかけられました 笑
欄干にかけた黒い布は逆光のために欄干に反射した光がレンズに入り込むのを防ぐためのものです。
ビューファインダーの中はこんな感じ。キラキラと水面の反射が流れて見えます。
フィルム現像を済ませたネガからプリントを行います。フィルム現像の模様は撮影し忘れちゃいました。
奥に見えるのは8×10インチ用の引伸機。写真の画角で小さく見えますが、足元から上まで2.5メートルほどの大きなものです。
ネガを通した光が印画紙に投影されて焼き付けを行います。ちょっと専門的にご説明すると、写真撮影と同じように光の強弱によって反応した臭化銀が潜像となり、それを現像液に入れると黒く変化します。
手前から現像液、停止液、定着液。現像により潜像が黒化し、停止液で黒化を止めて、定着によって画像がそれ以上変化しないように安定化させます。定着は反応が浅かった余分な銀を取り除きます。本来はオレンジ色の薄暗い灯りのもとで処理します。
プリントは定着液をしっかり取り除くために、アーカイバルプリントウォッシャーという水洗装置で1時間以上流水に漬けます。実際はこの処理の前に仕上げ処理の薬品にも漬けて、恒久的にプリントのトーンが保つようにしています。
完成したプリントは入念にチェックして、細かなホコリ混入でできたポイントに筆で染料を入れるスポッティングを施します。
スポッティング中、猫のタンゴくんが応援に来てくれているの図。頭隠して尻尾かくさず w
仕上がったプリントをフレームにセットすべく、マッティングを行なっているところです。写真のサイズに合わせて、専用のカッターを使い、全てピッタリに窓を開けていきます。私の場合は向こうに見えるドライマウントプレス機でマットボードに写真を固定しています。
マッティングや額装は学生の頃から専門家の方から教えていただき、それ以来すべて自分で行なっています。
数々の工程を経て、やっと額装も完成です。これらの作品は現在、大阪のブルームギャラリーで開催されている ”林直写真展「いのちのとなり」” にてご覧いただくことができます。12月7日からスタートしていますが、年末年始休みを挟んで2023年1月11日(水)から1月28日(土)までの会期となります。
ご来場いただいた方々から「やっぱり実際にプリントをナマで見ることができて良かった!」とご好評いただいています。大型フィルムで撮影された銀塩写真の魅力をご体感いただけると幸いです。
詳細は前回のブログからもご覧いただくことができます。
個展のご案内